浮腫みにも種類がある?これも原因になるなんて。。

2023/06/26

浮腫みにも種類がある?これも原因になるなんて。。

前の投稿では、むくみが起きるしくみ、むくみが生じることによる影響についてお伝えしましたが、
今回は、むくみの種類、原因についてお伝えします。

具体策を知る前に、むくみの種類や原因について知っておくとなぜそれをやらなければならないのかを理解しやすくなりますし、
自分にとって最適な方法を見つけやすくなります。
また、応用も利かせやすくなりますので、ぜひ最後までお付き合いください。

尚、これから紹介するものの中には疾患に関わるものが多く含まれています。
既に疾患をお持ちの方、お心当たりのある方、ご不安のある方は、必ず医師に相談をお願いします。

1、むくみ(浮腫)の種類

大きく分類すると,1)全身性浮腫と,2)局所性浮腫に分けられます。

1)全身性浮腫:何らかの疾患等によってむくみを生じたもので、原因によって幾つかのグループに分けられます。

a) 腎性浮腫:腎臓の機能が何らかの原因で低下して、余分な水やナトリウムをうまく排泄できなくて体にたまってしまったり、腎臓から蛋白尿が大量に出てしまったために血液と体組織での水のバランスをうまくとることが出来なくなって生じるむくみです。

b) 心性浮腫:心筋梗塞や心筋炎などで心臓の機能が低下してしまうと体の中に水やナトリウムがたまるようになります。心臓は右心系(肺循環)と左心系(全身循環)に分かれており、左心系が障害されると肺に水がたまって肺水腫といわれる状態になり呼吸が出来なくなります。右心系が強く障害されると全身に浮腫が生じます。

c) 肝性浮腫:慢性肝炎やアルコール性肝炎などで肝臓の機能が低下してくると、血液の中に水分を留めておくのに必要なアルブミンという蛋白質の合成が低下して濃度が落ちてきます。

d) 栄養障害性浮腫:極度の栄養障害がある場合にむくみが生じることがあります。今の日本では一般の人には生じないでしょう。

e) 薬剤性浮腫:風邪薬や漢方薬などを服用した後にむくみが生じることがあります。一般的には薬剤を中止すると自然に消失します。

f) 内分泌疾患による浮腫:甲状腺機能が低下すると粘液水腫といわれる浮腫を生じます。これは他の浮腫と違って指で押してもすぐに元に戻ってしまい、指の跡が残りません。なんとなくはれぼったくて体重も増え、寒がりになります。その他いくつかの内分泌の病気でむくみを生じます。

g) 特発性浮腫:いろいろな検査をやって正常であるにもかかわらず、むくみを生じる人がいます。ストレスなどが原因になることがあります。

2)局所性浮腫:静脈やリンパの流れの障害や局所の炎症で生じる浮腫。原因によって更に4つに分けられます。

a) 静脈性浮腫:静脈の流れが妨げられて生じる浮腫です。

b) リンパ性浮腫:リンパ節が腫れたり、感染症などでリンパの流れが妨げられて生じる浮腫です。

c) 炎症性浮腫:感染症やアレルギー、やけどなどの炎症で生じる浮腫です。

d) 血管神経性浮腫:血管は神経支配を受けており脳梗塞などで神経が傷害されると浮腫を起こします。

以上のように様々な病気がむくみの原因になっていることがあり、それによって対応が異なります。

さらに、むくみの性質によっても2つのタイプに分けられます。
指で数秒間押して放したとき、ペコッとへこんでしばらく元に戻らないのが
「圧痕性あっこんせい」、
すぐに元に戻って跡が残らないのが「非圧痕性ひあっこんせい」といいます。
例えば、夕方になって、「足がパンパンにむくんでいるわ!」というときは、
おそらく両足が同じようにむくんでいる「両側性(全身性)」のむくみでしょう。
そして、向こうずねを指で数秒間押すと、押した跡(圧痕)がついてなかなか消えない「圧痕性」の
むくみでしょう。また、靴下の跡がくっきり…というむくみの場合も「圧痕性」といえるでしょう。

ご自身に当てはまる状況やタイプはありましたでしょうか。

当ジムのお客様でむくみでお悩みの方の殆どが、疾患を原因としない全身性浮腫に該当します。

繰り返しますが、
私が病気かどうか診断することはできませんので、
ここまでの説明で少しでも病気を疑われる場合は必ず医師への相談を行っていただきたいと思います。

私が指導してきた方の殆どが運動、食事、生活習慣を変えることで改善するレベルですので、
ここでは病気が原因でない場合の対処法に絞ってお伝えします。

しかし、
むくみには様々な原因があります。次はその辺りについて理解しましょう。

2、むくみの原因

① 生理周期・・・女性ホルモンの一種である黄体ホルモン(プロゲステロン)は、子宮にたくさん栄養を与えて子宮内膜を厚くすることで着床させる準備を整えてくれますが、その副作用としてむくみが生じやすくなります。生理開始の5日くらい前から体水分量が増えはじめ、生理直前にピークを迎え、生理開始と同時に一気に減少します。

② 便秘・・・腸には便に含まれる水分を吸収する働きがありますが、腸内に便が溜まるとその水分を吸収し続けてしまいます。
そのため腸に水分が溜まってむくんでしまうといわれています。宿便とむくみの両方が体重を簡単に増加させます。

③ 塩分(ナトリウム)の摂り過ぎ・・・体には体内の塩分濃度を一定に保つ機能があります。そのため塩分をたくさん摂取すると体の塩分濃度を薄めようと、体内に水分を溜め込むようになります。

④ 糖質の摂り過ぎ・・・意外に知られていないですが、糖質は脂肪に変換され蓄積されるだけでなく水分を溜め込む働きをもちます。糖質1gに対して3mlの水分を溜め込みます。

⑤ 水分の摂り過ぎ・・・人は1日2.5Lの水を排泄・代謝します。食べ物から摂る水分と合わせてその量を超えるとむくんでしまう可能性が高まります。逆に水分量が少なすぎてもナトリウムが排泄されなかったり、尿量をセーブするための抗利尿ホルモンが分泌されてむくみやすくなります。

⑥ お酒の飲みすぎ・・・血中アルコール濃度が高くなると血管が拡張して血管から水分が漏れ出しやすくなります。また、アルコールの利尿作用は強く、一旦排泄された水分を取り戻すために余計に水分を摂取してしまうことが多いです。ビールを100ml飲むとアルコール代謝などにより120mlの水分を消費しますがそれ以上の水分摂取を繰り返してしまうのです。

⑦ 冷え・・・水分は、血管やリンパ管を通り全身を回り、最終的には大動脈に流れ込みます。ところが体が冷えていると血流が滞り水分が血管やリンパ管から漏れ出して細胞間に溜まってしまいます。また、筋肉によるポンプ作用も低下してしまいます。

⑧ 睡眠不足・・・心臓のポンプ作用が低下し、老廃物や二酸化炭素を含む水分が細胞内に溜まり細胞が酸素不足になります。すると血管が膨らんで水分コントロールがうまく出来なくなり、余分な水分や老廃物が皮下に溜まりやすくなります。また、自律神経が乱れ、血管が収縮している時間が長くなり血流が滞りむくみやすくなります。

⑨ ストレス・・・ストレスを受けるとコルチゾールというホルモンの分泌が増大します。すると網目状に存在する細胞間接着タンパクが減少し、細胞間に水分が入り込みやすくなりうまく排泄できなくなってしまいます。

⑩ 運動不足・・・ふくらはぎのポンプ機能が低下し、心臓に血液を戻す力が弱くなってしまいます。

⑪ 同じ姿勢をとり続ける・・・いわずもがな全身の血液循環が悪くなってしまいます。

⑫ 薬の服用・・・腎機能・腎血流の低下、尿細管の水再吸収、動脈優位の血管拡張による毛細血管静脈圧上昇、ナトリウム摂取量増加などによりむくみを生じます。

⑬ タンパク質不足・・・血液中のタンパク質であるアルブミンが血漿中に適量存在することにより血管内外の浸透圧バランスが保たれています。

⑭ 肥満・・・心臓ポンプが働きにくくなる。呼吸が浅くなる。あまり歩かないので静脈ポンプが働きにくい。
脂肪で物理的に静脈を圧迫する。皮下脂肪が邪魔をしてむくみの液が皮下を動きにくいのでリンパ液が溜まりやすい。

※むくみ予防・改善の考え方
以上のとおり、原因は多岐に渡り複合的に存在します。また、その方によって継続的なものもあれば断続的、一時的なものもありますし、原因同士が互いに影響しあっているケースも多々あるため、『その原因に対してはこの対策』というように安直に個別の対応策を理解実践するよりも、むくみのしくみや対策の全容を理解したうえで対応した方がより早く確実な改善に繋がる可能性が高まると考えています。

次回、具体策について深堀りしていきます。

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