上手な水分&栄養調節で浮腫みを撃退する方法
2023/07/02
上手な水分&栄養調節で浮腫みを撃退する方法
25年で3千名のダイエットを成功させてきたパーソナルトレーナーが具体的な浮腫み撃退法をお伝えします。
浮腫みを撃退するためには、大きく分けて『血液循環を促進させること』『水分を摂り過ぎず、排泄しやすくすること』が
不可欠ですが、今回は、『水分を摂り過ぎず、排泄しやすくする』うえで必要な以下の項目のうち、
水分、塩分、糖質、アルコール、カリウム、蛋白質とどう付き合っていくべきかをお伝えいたします。
1、水分を摂り過ぎないようにする
水分不足によってやせにくくなるということはあるかもしれませんが、水を大量に摂ることで痩せる。
ということもないと当ジムのデータで明らかになっています。
むしろ、ご自身に合った水分量を超えて摂ることでむくみを生じている方がとても多いです。
◇どのくらい飲むべきか
不感蒸泄(皮膚1%+呼気0.5%)、尿から2.17%、便から0.17%、合計3.84%、体重50kgの人なら
1.92L抜けます。
一方、栄養分が利用されるときに出来る代謝水が0.5%作られるので口から摂るのは3.3%(1.65L)程度で
良いでしょう。
また、食事(食べ物のみ)から約2%ほど摂れるので1.3%(650ml)ほど水を飲めば良いことになります。
朝一杯、夜一杯の水を飲むとすると350ml摂れるので活動時間中ペットボトルで必要な水は300mlほどです。
ただし、気温が30度から1度上がるごとに不感蒸泄は15%増えるのでさらに汗をかけばその分補給しなければ
なりません。
◆減らし過ぎた場合のデメリット
反対に、水分を減らし過ぎても、ナトリウムが排泄されにくくなったり、抗利尿作用が働き水分を溜め込みやすくなり
ますので注意しましょう。
2、塩分を摂り過ぎないようにする
厚生労働省が推奨する1日当たりの食塩摂取目標量は男性8g未満、女性7g未満です。
しかし厚労省発行の国民栄養調査によると、平成29年の食塩摂取量の平均値は男性10.8g、女性9.1gと、
推奨塩分量をオーバーしています。
ダイエットに励み、浮腫みを予防したい女性(体重50㎏程度)の方は1日6~7gを目標とすべきです。
高すぎる目標ではありませんがそれなりの工夫は必要です。
具体的には以下のような工夫の方法が挙げられます。
①調味料としてレモン、胡椒、香辛料、カレー粉、酢、ニンニク、生姜、ハーブ
などの香草を用いる。
②塩分を使った食材は一食に1品か2品程度と決める。
③出汁や素材や出汁の味を楽しむ。
④ 減塩調味料に変える。
⑤ 食品にかけるのではなく、つける様にする。
⑥コンビニ商品等の塩分に留意する。
⇒ナトリウム100mg は塩分換算で0.254gです。
つまり、ナトリウム(mg)×2.54÷1,000=塩分(g)です。
⑧『蒸す』『茹でる』を主とし、煮物は控える。
⑨塩分のある食材と塩分のない食材を一緒に食べる。
⑩魚介・海藻・ベーコン・ハム等には元々塩分が含まれているので、出来るだけ塩分を追加しない。
⑪海水から作られる自然な製法の塩を使う。(これであれば体から塩分の排泄を促す作用のあるカリウム
や血管を緩めて血圧を低下させる作用のあるマグネシウムなどを含むため、ナトリウムの働きを和らげます。
しかし精製塩は塩化ナトリウムのみを抽出したものであるため血圧が上がりやすいのです。)
3、糖質を摂り過ぎないようにする
糖質1gあたり3~4mlの水分を溜め込むといわれています。糖質を増やしますと脂肪だけでなく体水分も増加しますし、
逆に減らすと体水分が減少しむくみの症状が緩和されます。
糖質制限をしますと、体脂肪以上に体水分が大幅に減りますので、むくみの解消だけでなく短期間に体重を
減らすことが出来ますが、糖質制限は長くは続けられませんし、糖質への欲求がそれまで以上に増幅し、
糖質中毒のようになってしまう方がいます。
よって、過度な糖質制限はおススメしません。
その方の体重や活動量、ダイエット目標にもよりますが、むくみを生じさせないためには、一日あたり100g程度が妥当と
考えています。
◆減らし過ぎた場合のデメリット
糖質をカットしすぎると体温が低下し、基礎代謝が低下する恐れがありますのでご注意ください。
4、アルコールを摂り過ぎないようにする
飲酒が直接的な原因となるむくみの仕組みは2通りあります。
抗利尿ホルモンが抑制され尿量が増加し脱水を起こし、血管内の水分が減少してまた水分を摂ってしまうケースと、
毛細血管動脈側の血管壁透過性が亢進して水分が血管外に漏れ出し細胞間に入り込むと共に脱水を起こすケースです。
体水分の調節系は、血管内の水分量のみを感知しており、圧の受容体が感知して腎臓に働いて調整してくれるのですが、
皮下組織内の水分は感知しないため、どちらのケースも体水分量は増加しているにも関わらず、更に水分を摂ってしまう
のです。
チェイサーを用意して交互に飲むようにするなど、全体のアルコール量を抑えましょう。
また、冷えたお酒を大量に摂取することで、内臓を冷やし、水分代謝を低下させますので、むくみの原因を追加すること
にもなります。よって、温めたお酒を選んでいただいた方が無難です。
糖質を考えますと、焼酎やウイスキーのお湯割りなどを選びたいです。
5、カリウムを適度に摂る
ナトリウム(≒塩分)は水を溜める性質がありますが、カリウムは腎臓でナトリウムが再吸収されるのを抑制し、
尿中への排泄を促進します。
成人の体内にある200gのカリウムの大部分は細胞内に存在し、細胞外液に多いナトリウムと相互に作用
しながら浸透圧を維持したり水分保持を行います。
◇カリウムを多く含む食品
カリウムは、藻類、果実類、いも及びでん粉類、豆類、肉類、魚介類、野菜類などに多く含まれます。
生鮮食品に多く、加工や精製が進むと含量は減少します。
カリウムは水溶性で、煮たりゆでたりすると水に溶け出します。
生野菜サラダで摂ったり、生の果物で摂るのも良いですが、煮汁を摂る事が出来れば熱を加えても問題ありません。
汁や塩分を少なめにしたスープですと、たくさんの野菜を摂れますのでオススメです。
6、タンパク質を適度に摂る
むくみの原因のところでもお伝えした通り、血液中のタンパク質であるアルブミンが血漿中に適量存在することにより
血管内外の浸透圧バランスが保たれています。
食事から摂ったタンパク質を材料にして肝臓で作られていますので、日頃から、タンパク質が不足しないように摂る
ことが大切です。
むくみの予防の観点では体重1kgあたり1~1.2g必要です。
お肉や卵、大豆から摂ることで質の高いタンパク質を摂ることが出来ます。
また、アルブミンはカルシウム・酵素・ホルモン・脂肪酸などと結合して体が必要とする部位に運んだり、
毒物と結合して体への作用を弱めるなど、体にとってとても重要な役割を担っています。
しかし、多く摂ればその効果がより高まるというものではありません。
タンパク質を長年摂り過ぎてしまいますと腎臓の負担が増して
障害を起こす可能性がありますので摂り過ぎにはくれぐれもご注意ください。
ここまで、浮腫みの撃退法をお伝えしてきましたが、ぜひ参考にしていただき、皆さんがダイエットを成功させ
理想とする体に近づける助けにになれば幸いです。
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